突発性難聴と聴力
耳鳴りやめまいといった症状をもたらすことも多い突発性難聴ですが、最大の問題点はやはり聴力の低下です。ある日急に音が聞き取りづらくなり、日常会話をスムーズに行うことができなくなってしまうのです。 また、発症する原因がまだよくわかっていないため、決定的な治療方法もない状態です。そのため患者の状態を確認しながら、その都度治療状況を柔軟に決めていく必要があるわけですが、その目安となるのもやはり聴力です。 では、どのような方法で回復の度合いを確認しているのでしょうか。多くの耳鼻科では「オージオグラム」と呼ばれる検査方法を導入しています。これによって、まず伝音難聴か、感音難聴かを判断することができます。突発性難聴は内耳に障害が生じたことによって生じる感音難聴に含まれます。 より具体的にいえば、この検査で気導聴力と骨導聴力を調べることができます。どちらも20dB以内が正常な値です。しかし難聴になってしまうと、それ以下になってしまうのです。 突発性難聴は早期発見・治療が非常に重要だといわれますが、その際にこの検査が大いに役立ってくれます。片耳にしか生じないことがほとんどのうえ、日常会話では使用する機会の少ない高音や低音域の機能低下に気づかないことが多いからです。実際、この検査で初めて難聴が判明するケースも非常に多いのです。耳鼻科では、必ずこの検査を行う施設が設置されていますからちょっとでも聞き取りづらさや耳鳴りといった症状が自覚できた場合には、検査を受けてみるよう心がけましょう。
|