突発性難聴の原因
突発性難聴が厄介な病気といわれる理由は、原因がはっきりとわかっていないからです。ある日突然発症し、しかも進行が早くどんどん悪化していくにも関わらず、原因が特定できずに有効な治療ができないという状況に陥ってしまうことも多いのです。
ただ、きっかけがまったく不明というわけではなく、いくつかの説が挙げられています。もっとも有力な説とされているのが内耳循環障害です。内耳の血管が塞栓や血栓、あるいは出血といった理由で流れが滞ってしまい、機能不全に陥ってしまうというものです。内耳が機能不全を起こしてしまうと、鼓膜で聞き取った音を脳まで正しく伝えることができなくなってしまうのです。この場合の治療に役立つといわれているのが、循環障害改善薬です。
それからウイルス感染です。ウイルス疾患が原因で発症するのではないかとされています。これは発症する直前に風邪などウイルス疾患を患っていた患者が多いこと、炎症を和らげる作用を持つステロイド薬が治療に高い効果を発揮することなどから挙げられる説ですが、明確な関連性に関してはまだわかっていない状況です。
近年になって急浮上しているのが、ストレスが原因とする説です。突発性難聴は耳以外に異常が見出せず、しかも遺伝などの要素もないことから、ストレスやそれがもたらす疲労が大きな要因なのではないかと言われています。鍼灸や整体などで治療を行う場合、このストレスの解消も大きな目的となります。さらにうつなど、心の病が原因になるという意見もあります。
原因がまだ明確ではないため、症状を見極めながら適切な治療法を判断することが重要になるわけです。
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