ステロイドの副作用
突発性難聴は原因不明で生じる病気ですが、その多くはさまざまなきっかけによって内耳に炎症が生じるなど循環障害が生じたことによるものです。ですから、その循環を改善することで一定の効果を期待することができます。その方法として優れているのが副腎皮質ステロイドです。服用することで多くのケースで聴力の戻りを得ることができます。 ただし、よく知られているようにこの薬には副作用という重大な問題が潜んでいます。どの病気の治療で使用される際にも必ず副作用を念頭に入れながらの投与となるわけです。ではどのような副作用があるのでしょうか。 代表的なところでは免疫機能の低下、骨粗しょう症、高血圧、不整脈、低カリウム血症、さらに精神障害やうつ、糖尿病といった状態に陥る恐れもあります。こうした副作用は人によって個人差があるため、症状や影響を見極めながらひとりひとり投与量を調節していくことになるのです。 また、すでに糖尿病にかかっている患者の場合には血糖値をよく確認したうえで投与していく必要があります。そのため投与量が十分ではなく、突発性難聴の治療が十分に進まないケースも出てきます。こうした面から決して万能な薬ではないことは憶えておく必要があるでしょう。 突発性難聴に使用する場合には、通常2週間が目安です。それ以上続けると依存状態に陥り、新たな難聴をもたらしてしまう恐れもあります。医師とよく相談し合い、他の治療方法や生活習慣の改善なども念頭に入れながら改善していく必要があるのです。
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