ステロイドの注意点
突発性難聴にはステロイド薬の使用が効果的といわれています。さまざまな病気の治療に用いられる薬ですが、一方では副作用の問題もあり、慎重な取扱いが求められます。とくに突発性難聴の場合、用量を間違えると新たな耳の問題を抱えてしまう恐れがあるので注意が必要です。 その問題とは摂取によって依存が生じてしまい、その結果摂取を続けていないと聴力を維持できなくなってしまうことです。ステロイド依存性感音難聴と呼ばれるもので、投与を続けていった結果、高度〜重度の難聴になってしまう恐れがあります。 特徴としては投与によって聴力が改善するものの、投与を中止するとすぐに悪化してしまうケース。そのためどうしても投与が長引き、依存してしまうケースが多くなるのです。ただ、なぜ依存によって聴力が低下するかは免疫異常が関わっているのではないかという説があるほかは、はっきりとしたことがわかっていない状況です。 突発性難聴と診断され、投与がはじまった当初は聴力が改善され、順調に治療が進んでいるように思えるものの、症状に合わせて投与する量を減らしていくとすぐに聴力が落ちてしまうため、いつまで経っても治療をやめることができなくなってしまいます。そのため早めに見極めを行うこと、依存性の難聴だと判断された場合には免疫抑制剤など他の薬物を使用するなど特別な治療法を選択することなどが求められます。 このように、効果が見られるからといって頼りすぎてしまうと他の問題を抱えてしまうこともあるだけに、注意して治療にあたるようにしたいものです。
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