原因不明
突発性難聴は原因不明で生じるのがもっとも厄介な点です。さらに突発性の名の通り、ある日急に発症し、しかも片耳にしか生じないことがほとんどのため、早期に気づくのが遅れ、適切な対策を行えないリスクも生じます。 一方、突発性難聴と特定の病気の区別がつきにくい場合もあります。判断を誤るとこれも治療の遅れをもたらしてしまうだけに注意が必要です。 そんな区別を注意したいもののひとつに聴神経腫瘍があります。これは脳腫瘍の一種で、脳から出ている聴神経に腫瘍が発症したものです。あまり知られていませんが、脳腫瘍全体のおよそ1割を占めています。 問題なのは症状が突発性難聴とそっくりなことです。ある日急に発症し、片耳に生じることが多いです。そのため早い段階でしっかりと見極め、正しい治療を行うことが求められるのです。 見分け方としては、難聴の症状が悪化したりよくなったりと変化することがあること、あるいは顔面の痙攣が伴うことがあることなどです。こうしたケースが見られる場合には、聴神経腫瘍の疑いがあります。 この腫瘍は良性腫瘍のため、とくに心配がありませんが、腫瘍が大きい場合には聴力が極端に悪化してしまうこともあります。まずは耳鼻科で正しい診察を受け、症状を特定した上でその後の治療計画を決めていく必要があるでしょう。この腫瘍は突発性難聴と比べ時間が経過してもそれほど深刻な状況になることはありませんが、だからこそ早期の見極めが重要となります。
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