治療
突発性難聴はまだ原因がよく掴めていない病気です。わかっていることといえば、ある日急に発症するケースが多いこと、片側だけに生じることが多いことといった程度です。治療も症状を見極めながらその都度適切と判断される選択肢を選んでいく必要があるのです。 そんな突発性難聴の治療において広く用いられているのが、循環改善薬です。副腎脂質ステロイドも治療法として有名ですが、こちらはステロイドに比べて副作用のリスクが少なく、無理なく治療を行っていける点に大きなメリットがあります。では具体的にこの治療はどのようなものなのでしょうか。 この難聴の最大の問題は、内耳機能の異常といわれています。ウイルスの感染や疲労、ストレスなどさまざまな原因で内耳機能に障害が生じ、耳で聞き取った音を正しく脳に伝えられなくなってしまうのです。とくに内耳の血行不良、塞栓や血栓などが大きな問題といわれています。ですから、この治療法で循環改善を目指すことで効果が期待できるのです。 代表的なところでは抹消循環改善薬、あるいは手足の血行改善に使用されるプロスタグランジンE1などが挙げられます。これらを投与することで血管が拡張されて、塞栓などの詰まりを解消することができること、あるいは血液を固まらないようにすることで血栓を解消するといった効果が期待できるのです。 ただ、まだ明確な治療効果とそのメカニズムは明らかになっていない面もあり、ステロイドをはじめとした他の治療法と併用して行うケースが多いのが実情です。使用するかどうかは医師とよく相談して判断するようにするとよいかもしれません。
|