聴神経腫瘍
原因がよくわからず、そのため治療も手探りで行っていかなければならない…これが突発性難聴の大きな問題点です。ただ、まるっきり原因がわからない、というわけではなく、いくつかの候補が挙げられている状況です。その中には他の耳の病気が関わってくるケースも見られます。 もっとも注意が必要なのが聴神経腫瘍です。これは脳にある聴神経に腫瘍が発症するもので、腫瘍そのものは良性ですが、聴力の低下をもたらす場合があります。この腫瘍の初期段階として突発性難聴が発症することがあるのです。ですから早期の段階でしっかりと見極め、正しい治療を行っていくことが重要になってきます。なお、見極めにはMRIなどの精密な検査が必要です。 耳とは直接関係ありませんが、他の病気が引き金となって発症する可能性も指摘されています。この難聴の原因のひとつにウイルス感染が挙げられますが、事前に風邪をひいていたり、はしかやおたふく風邪といったウイルス性の疾患が難聴を引き起こすことが多いことから指摘されています。実際、この難聴が発症する前に風邪を引いていたというケースが非常に多く、注意が必要となっています。副腎皮質ステロイドが治療に高い効果を発揮するのも、このウイルス感染がもたらす炎症を解消することができるため、とも言われています。 なお、似たような症状をもたらす病気にメニエール病がありますが、こちらは別の病気なので見極めが重要です。同じように低音障害型感音難聴なども混同されやすい病気なので注意しましょう。
|