耳の閉塞感を伴う疾患
耳の閉塞感を伴う疾患というと、大きく分けて5つほどあげられます。1つ目は、外耳道疾患で耳垢閉塞、外耳道の炎症(俗に言うオデキ)、外耳道異物などが挙げられます。外耳道疾患は耳かきによる傷ややけどなどで起こる急性のものと、繰り返し起こる慢性の炎症があります。 前者は比較的軽度のものが多いのですが、痛み、耳の腫れ、軽い難聴が炎症によって起こってきます。特に、外耳道にできるオデキは、猛烈な痛みを伴う事があります。 耳垢腺や皮脂腺の細菌感染(おもにブドウ球菌)によっておこると言われています。通常であれば、3から6日ほどで自潰し、自然排膿し鼓膜や内耳への影響はほとんどありません。治療は、痛みや症状が特にひどい場合は、切開し排膿を促す場合も有りますが、通常は、安静にし湿布や抗生物質や痛みどめの服薬、軟膏を塗るなどの処置をします。 原因は耳を必要以上にいじったためということが考えられるので、あまり耳をいじりすぎないようにすることが大切です。2番目は内耳疾患で、急性内耳炎、滲出性中耳炎、耳管狭窄症、耳管開放症、慢性中耳炎などがあります。 3番目は、メニエル氏病、突発性難聴、内耳炎、外リンパ漏れ難聴などを来す疾患などがあります。これは、両耳に起こるというよりも一方の耳の閉塞感や聴こえにくさがおこります。人それぞれの症状がありますので、細かい鑑別が必要です。必要に応じて耳鼻科での聴力検査などを受けましょう。 4番目は後迷路疾患です。これはやはり聴こえにくさを感じるものから、耳の閉塞感があるもの、脳神経外科疾患なども含まれます。最後に、心因性のものがありますが、いずれにしても、耳の閉塞感等の症状を感じたら、早めに耳鼻科を受診し治療をすることが大切です。
|