中耳炎
突発性難聴は、何の前触れもなく、朝起きたら耳が聴こえなくなる原因不明の病気です。突発性難聴は感音難聴とよばれます。人間の耳は大きく分けて「外耳」「中耳」「内耳」の3つに分類されますが、内耳だけに何らかの障害がある状態を感音難聴といいます。 反対に「外耳」「中耳」の病気を伝音難聴といい、耳垢栓塞、外耳円、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎などの病気があります。感音難聴の病気は突発性難聴のほかに、老人性難聴や職業性難聴などがあります。突発性難聴は年齢や性別において偏差はなく、患者は年々増加傾向にあります。 突発性難聴は早期治療によって治癒することも可能です。一般的に突発性難聴は発症してから1カ月で聴力が固定されてしまうので、それ以前(遅くても1週間以内)に治療しなければ完治は難しい病気です。発症してから48時間以内に適切な治療をうければ治癒の確立は非常に高いとされています。 突発性難聴の治療は、ステロイドの点滴投与を7日〜10日行います。聴力が回復しない場合には高圧酸素療法や星状神経節ブロックなどの治療を行います。突発性難聴を予防するには、規則正しい生活やバランスの取れた食事、耳に大きな刺激をあたえないなどです。 耳管機能不全症
耳管機能不全症は、耳管の換気機能が低下する病気です。耳管とは、鼻の奥にある上咽頭と中耳腔をつなぐ管のことで、中耳腔内と外気の気圧の調節をする役割があります。普段は閉じていていますが、つばを飲み込むときや、あくびをするときなどだけ気圧を調整するために開きます。 例えば気圧の関係で高層ビルの高速エレベーターに乗ると急に耳が詰まる感じがすることがあります。このようなとき人は無意識に鼻をつまみながら力んで耳管を通そうとします。耳管の気圧が調整できないと、耳管をもとの状態に戻すことができず、非常に不愉快な感じになります。 つまり、耳管が開きっぱなしの状態が継続する状態が耳管機能不全症です。耳管機能不全になるとスキューバーダイビングで耳抜きができない、飛行機の離着陸で耳抜きができないなど違和感を感じます。耳管機能不全症とは逆のものが耳管開放症です。通常は閉じているはずの耳管が常時開いている状態で、耳管機能不全症と同様に痛みはありませんが耳に違和感があります。 耳管機能不全症と耳管開放症は、症状が似ていますが、治療法は全く別のものです。そのため、症状から正確な病名を判断するためには、耳管機能検査が必要です。耳管機能不全や耳管開放症の症状は突発性難聴など他の疾患と重なっていることもあります。 突発性難聴は原因不明の病で、治療が遅れると聴力の回復が難しくなります。そのため、耳に不快感がある場合にはすぐに耳鼻科で診察することが大切です。
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